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入棺
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にふくわん
ふりがな文庫
“
入棺
(
にふくわん
)” の例文
上には親類の年寄が二三人と、嫁のお清が、まだ
入棺
(
にふくわん
)
も濟まぬ死骸の前に、
濕
(
しめ
)
つぽく坐つて引つ切りなしに線香を上げて居るのでした。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お吉の死體は手輕に檢屍が濟んで、階下の六疊に寢かしてありますが、さすがに手が廻り兼ねて、まだ
入棺
(
にふくわん
)
してゐないのは、幸せでした。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は井戸端をそれくらゐにして、家の中へ入つて、一應通夜の衆を
退
(
の
)
かせると、
入棺
(
にふくわん
)
してある佛樣を調べました。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、
入棺
(
にふくわん
)
が始まるさうで、御近所の衆や親類方が見えますから、少し家の廻りでも綺麗にしようと思ひまして」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
漸
(
ようや
)
く檢屍が濟んだばかりで、
入棺
(
にふくわん
)
を翌る日に延ばした主人の萬兵衞の死骸が、床の上からフラフラと起き出して廊下へ、隣の部屋へと歩き出したのです。
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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まだ
入棺
(
にふくわん
)
もせず、北枕に寢かして、
逆
(
さか
)
さ
屏風
(
びやうぶ
)
を廻した前に、弟子の良助と太吉がしきりに香を
捻
(
ひね
)
つて居ります。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
許嫁のお茂世の死體は、この人の入府を待つてまだ
入棺
(
にふくわん
)
もせずに居る有樣、其處に通されて、一年振りの死顏に對面した芝田要の驚きは言ふ迄もありません。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、もう宜いぢやありませんか。こんなことで歸りませう。お玉の
入棺
(
にふくわん
)
の支度もしなきやなりません」
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その隣りのお妾のお小夜の部屋へ入つて見ると、佛樣はもう
入棺
(
にふくわん
)
が濟んで、型通りに飾つた机の前に、内儀のお絹は首うな垂れたまゝ
肅然
(
しゆくぜん
)
と控へて居るのでした。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その一と間に
入棺
(
にふくわん
)
したばかりの主人半九郎の死骸を置き、女房と、子供が二、三人と、女共と、近所の人らしいのが二、三人、たゞわけもなくゴタゴタしてをります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お樂は
漸
(
やうや
)
く涙ををさめて、三人を奧へ案内しました。幸ひ
入棺
(
にふくわん
)
したばかり白布を取つて
蓋
(
ふた
)
を拂ふと、早桶の中に、洗ひ
淨
(
きよ
)
められたお菊の死骸が、深々と
踞
(
うづく
)
まつて居ります。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は女房の話を宜い加減に切りあげて、
入棺
(
にふくわん
)
したばかりの半九郎の死骸を見せて貰ひました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お紋の死體は檢屍が濟んだばかりで、まだ
入棺
(
にふくわん
)
の運びにもならず、自分の部屋の自分の床、昨夜お紋自身の手で伸べられた床の上へ、痛々しくもそのまゝ横たへられてをります。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人半左衞門の死體は、土藏から母屋に移され、清められて
入棺
(
にふくわん
)
を待つてをります。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お君の死骸はこの時親類方や御近所の衆の手を借りて、
入棺
(
にふくわん
)
されるところでした。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「佛樣を下へ移して、
午刻半
(
こゝのつはん
)
(一時)には
入棺
(
にふくわん
)
することになつて居りますので、その手傳ひに參りました。死んだ清太郎さんとは
朋輩
(
ほうばい
)
同士で、少しはそんなお役に立ちたいと思ひますので、へエ」
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「有難う、さう思つてまだ
入棺
(
にふくわん
)
せずにあるんだ。まア見てくれ」
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今
入棺
(
にふくわん
)
するところで——」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“入棺”の意味
《名詞》
故人などの遺骸を棺に入れること。納棺。
(出典:Wiktionary)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
棺
常用漢字
中学
部首:⽊
12画
“入”で始まる語句
入
入用
入口
入牢
入来
入水
入込
入交
入日
入相