元良もとら)” の例文
元良もとら勇次郎博士が、生前大学で心理学の講義をしてゐた頃、ある時何かの例証を和歌から引いた事があつた。
宗演師講演の英訳をえて、それを当時円覚寺内の帰源院に来て居られた夏目漱石さんに見てもらったことを覚えて居る。元良もとら先生も、その時居られたかと思う。
釈宗演師を語る (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
元良もとら勇次郎は友人ではあったけれど、学説においてはしばしば衝突をきたしたのである。
「表象無くんば自我意識無し」元良もとら博士はくしのこの一句のなかには深遠な造蓄が含まれている。認識には当然ある種の情緒と意欲とを伴う。これらの者の統合がすなわち自我ではないか。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)