儼然きっ)” の例文
一人は年齢ねんぱい二十二三の男、顔色は蒼味あおみ七分に土気三分、どうもよろしくないが、ひいでまゆ儼然きっとした眼付で、ズーと押徹おしとおった鼻筋、ただおしいかな口元がと尋常でないばかり。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
口までが儼然きっとむすばれて、どうしてと再び問返した語気は全く変って居たけれども、訳を知らぬ花次が気の附くはずはなく、ほんとにおかしいんですよとほとんど火を附けるような前句まえく
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)