傭兵ようへい)” の例文
力強い喜びと血潮とのにおいがその戦いから立ちのぼっていた。クリストフの眼には近世の傭兵ようへいの面影が、勇壮な冒険者の面影が、そこから浮かび上がってきた。
パリスカスは部下をやって、その捕虜が埃及人か、どうか(というのは、埃及軍の大部分は希臘ぎりしゃ人その他の傭兵ようへいだったから)をたずねさせた。たしかに埃及人だという返辞である。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ところがローマ帝国の全盛時代になりますと、国民皆兵の制度が次第に破れて来て傭兵ようへいになった。これが原因で決戦戦争的色彩が持久戦争的なものに変化しつつあったのであります。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
文芸復興期の傭兵ようへいなど、宇宙を荒した人類の旋風をことごとく、その墳墓から引き出していた——それも、残虐な軍隊ととらわれの婦女らに取り囲まれ、殺戮さつりくのさなかにあっても平然として