傭入やといい)” の例文
ほかに数十人の傭人がいるけれど、それは園主がりに撰って、機械の様にお人好しで愚鈍な連中ばかりを傭入やといいれたのだから、まさかその内にこのすばしっこい
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
警官の巡回を増してもらうやら、二人いる書生の上に更に屈強な青年を一人傭入やといいれるやら、珠子の通学のかえりには書生をともさせるやら、出来る丈けの用心をした。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼の身辺には私服制服の警察官ばかりでなく、態々傭入やといいれた武道達者の青年達が、絶えずつき従って、万一に備えた。やしきの表門裏門に見張りのついたことは申すまでもない。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
頑丈な厚ガラスの扉には、特別の錠前がつき、その鍵は博覧会事務所に出張している真珠店の信用ある店員が保管し、番人も、一般に募集した少女ではなく、真珠店が傭入やといいれた屈強の中年男である。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)