備前守びぜんのかみ)” の例文
今まで幾十百人のもとゞりを切られた方々も、さすがは青江備前守びぜんのかみ樣と言はれるだらうと、——今ではそれより外に汚名を救ふすべはないのだ
「関東にはお聞き及びもござるまいが、薩州伊王ヶ滝の自源坊より瀬戸口備前守びぜんのかみが精妙を伝えし誉れの太刀筋たちすじ
ひとりは池田備前守びぜんのかみ侯の家臣でこの二月から帰藩中、残りのひとりはこれも土井大炊守おおいのかみのご家臣で、同様この四月から帰国中ということでしたから、むろん
馬の平首ひらくびをたたいてなげきながら、毎日備前守びぜんのかみ受け持ちの工事場へ出て、人夫にんぷのさしずをしていた。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
ことによると、奉行所へ出頭方を命ぜられるかも知れないが、それには一応、小普請支配がしら青山備前守びぜんのかみ様のほうへ話をつけて、手続きをふまねばならぬから、まず今夜は大丈夫。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これが忠盛の尽力で完成したときは、大へんな喜びようだったといわれる。そのとき備前守びぜんのかみだった忠盛は、但馬国たじまのくにの国司に任ぜられ、その上、あんなに待ち望んでいた昇殿を始めて許された。
今まで幾十百人のもとどりを切られた方々も、さすがは青江備前守びぜんのかみ様と言われるだろうと、——今ではそれより外に汚名を救うすべはないのだ
と気がついて、清兵衛は、あたふたと、備前守びぜんのかみ寝所しんじょの外の戸のところへ立って
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
そのわけは、主人筋の青江備前守びぜんのかみに、娘を人身御供ごくう同様のめかけに取上げられ、二年経たないうちに、気に入らない事があると言って、なぶり殺しにされてしまったからだ。
こう、備前守びぜんのかみはいった。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
そのわけは、主人筋の青江備前守びぜんのかみに、娘を人身御供ごくう同樣のめかけに取上げられ、三年經たないうちに、氣に入らない事があると言つて、なぶり殺しにされてしまつたからだ。
「その主人、青江備前守びぜんのかみ殿には、困つたことに、御もとゞりを失はれたのだよ」
「その主人、青江備前守びぜんのかみ殿には、困ったことに、御もとどりを失われたのだよ」