倶舎くしゃ)” の例文
旧字:倶舍
唯識ゆいしき三年倶舎くしゃ八年」などと気長のことばかりをいい立てて、さらに時弊に応じて教義を調合するさじ加減を知らざる風情であります。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
日本戒律宗の祖鑑真は唐より薬物多く将来し、失明後もいで真偽を別ち、火葬の節異香山に満ちた。元興寺がんごうじの守印は学法相ほっそう倶舎くしゃを兼ねた名僧で、不在中に来た客を鼻で聞き知った。
其でも一時は、倶舎くしゃの寺として、栄えたこともあったのだった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
(『義楚六帖ぎそろくじょう』にいわく、「『倶舎くしゃ』に曰く、『漸死ぜんしにはそくさいしんとに、最後に意識滅す。下と人と天は不生なり。断末摩は水等なり』」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)