借問しゃくもん)” の例文
「宗匠に借問しゃくもんす。こけ猿と称する偽物、江戸に数多く現われおる由、ほんものを見わくる目印、これなきものにや」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
借問しゃくもんされる部類のほうで、みんな荷梱にごうりの蔭に、ぽつねんと味気ない顔して、冬の海をながめているのだった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
借問しゃくもんす、出家の道は、世をきよめ、人を救うにこそ有るなれ、なんじ、ただ一身のための、世過ぎと、わがままをなさんがゆえに、法衣をるは、似而非出離えせしゅつりならずや、言語道断の偽せ坊主よ。