よっ)” の例文
お島は帯をときかけたままの姿で、押入によっかかって、組んだ手のうえにおもてを伏せていた。疳癪かんしゃくまぎれに頭顱あたまを振たくったとみえて、綺麗きれいに結った島田髷の根が、がっくりとなっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
主人は硝子戸ガラスどのはまった、明い事務室で、椅子に腰かけて、青いきれの張られた大きな卓子テーブルよっかかって、眼鏡をかけて、その日の新聞の相場づけに眼を通していたが、壮太郎の方へ笑顔を向けると
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)