便佞べんねい)” の例文
いつでも心のどこかの隅に、横着な、便佞べんねいな希望が綺麗きれいに離れ去ってしまった事はない。しかし自分にはそれより強い理性がある。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
お屋敷へ申出でましたところで、剛直まっすぐな方は斬られしりぞけられ、残るは便佞べんねいの者ばかり。私風情の訴訟を、真面目に取次いでくれる方もございません。
虚文虚礼便佞べんねい諂諛てんゆいやしとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して、局長閣下と盛んに人生問題を論じて大得意であった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
阿諛あゆ便佞べんねいと、安価な世辞に取巻かれて、それを阿諛とも便佞とも空世辞からせじとも気の付かぬ孫右衛門は、「俺が死んだら、さぞ皆んなが困るだろう」と思い込むのは当然のことでした。