余暇ひま)” の例文
旧字:餘暇
正木作左衛門も余暇ひまさえあれば来て慰めたが、弟の新九郎は、さすがに気が咎めるのか、相変らず奥に籠って人に面を合せたことがない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それどころか肝心かんじんのわがさいさえどうしたら綾成せるかいまだに分別がつかないんだ。この年になるまで学問をした御蔭おかげで、そんな技巧は覚える余暇ひまがなかった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
去年女学校を卒業したこの従妹いとこは、余暇ひまに任せていろいろなものを習っていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)