佐兵衛さへえ)” の例文
大番頭の佐兵衛さへえは六十を越した老人で、忠実一点張りの男、本店からの付け人で、わば主人の又左衛門の後見役でもあったのです。
表からやみくもに跳込んできた安吉やすきち、お天気安という綽名あだなのある若い者だ、——ちょうどいま上りっぱなで、愛用の鳶口とびくちを磨いていたは組の火消し頭佐兵衛さへえ
初午試合討ち (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
因縁も糸瓜へちまもありゃしません、——寺島てらじまに住んでいる物持の佐兵衛さへえ瓢々斎ひょうひょうさいとか何とかいって、雑俳ざっぱいの一つもひね親爺おやじで、この男が、長い間の大酒で身体をいけなくし