伊勢詣いせまい)” の例文
「じゃ、この蛾次郎がじろうが、三つの時に、伊勢詣いせまいりのとちゅうで迷子まいごにしたおまえさんの子であったのか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
 すると父が母もまだ伊勢詣いせまいりさえしないのだし祖母そぼだって伊勢詣り一ぺんとここらの観音巡かんのんめぐり一ぺんしただけこの十何年ぬまでに善光寺ぜんこうじへお詣りしたいとそればかり云っているのだ
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
どうして手をったものかと、今夜も、林崎や悪友のならず者が、里次の家へ寄って、飲みながら話しておると、伊勢詣いせまいりに行くといって、五日ほど前に、家を出た浪人が、台所から、ふいに
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)