仰角ぎょうかく)” の例文
「本隊は午前三時十五分に於いて、北より西に向いて水平角七十二度、仰角ぎょうかく八十度の方向に、敵機と認めらるる爆音を聴取せり。終り」
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
五郎は用心深く仰角ぎょうかくを上げる。二度三度左右に動かし、やっと丹尾の姿をとらえる。丹尾は歩いている。立ち止って、火口をのぞく。その真下に噴火口がある。五郎は望遠鏡を下方に移す。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
シカゴ、ルイズヴィル、ハウストン、イリノイ、フェニックスの砲口は、次の射撃に備えるために、じわじわと仰角ぎょうかくをあげて行くのが見えた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
相良の乗った宇宙艇の進路は、大体火星に向けられていることが、仰角ぎょうかくと方位と速度から判った。だが、それには猶少しの疑問がないでもなかった。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あわせて二十門は、ぎりぎりと仰角ぎょうかくをあげ、ぐるっと砲門の向きをかえたかと思うと、はるか五千メートルの沖にじっと静止している驚異軍艦ホノルル号の舷側げんそく照準しょうじゅんさだめた。
方位角と仰角ぎょうかくとではかってみると、だいたいその見当である。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
各艦の主砲は、一斉にグングン仰角ぎょうかくを上げて行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)