仮面おもて)” の例文
旧字:假面
それにつれて、大床おおゆかの中ほどへすすみ出た観世清次は白の小袖に白地に銀摺ぎんずり大口袴おおぐち穿き太刀を横たえ、じょう仮面おもてをつけていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
能の仮面おもて重荷悪尉おもにあくじょう、そっくり老人の顔であった。がまの形をした大きなあざ、それが額にあるために、一層その顔は凄く見えた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おおおおどうやらあなたのお心へ、恐怖おそれが湧いたようでございますね。お顔の上へ現われました。それをお持ち続けなさいまし。……さてそれではまず仮面おもてを」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
後見と装束方が寄って、光圀の顔に仮面おもてを当てる。また、龍神の赤頭あかがしらをかぶせる。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおおおようやくあなたのお顔へ、悲しみの色が浮かびました。さてそれではまず仮面おもてを……」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仮面おもてをつけい」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)