仏語ぶつご)” の例文
旧字:佛語
ここに一切の仏語ぶつごはその概念的固定から救われるのである。そうして仏弟子は、仏語の概念的繋縛から離れて、融通無礙ゆうずうむげなる生きた真理に面接するのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
もっとも一概に完全と云いましても、意味の取り方で、いろいろになりますけれども、ここに云うのは仏語ぶつごなどで使う純一無雑まずまじのないところと見たら差支さしつかえないでしょう。
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これと同じ意味に於て、特殊な外国語を使ったり、仏語ぶつごや東洋語を用いたりして、詩語の範囲は拡げられた。象徴派以前からも此風は盛んであったが、有明・泣菫氏以後甚しくなった時期がある。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
山門に限らず仏語ぶつごには漢音の用語多し。さてこの句のあたいを論ぜんに、もとより余韻ある句にあらねど一句のしまりてたるみなき処名人めいじんの作たるに相違なく、た冬至の句としては上乗の部に入るべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
仏語ぶつごで形容すれば絶えず火宅かたくを受けて、夢の中でさえいらいらしている。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)