今猶いまなほ)” の例文
私はただ両国橋の有無いうむかゝはらず其の上下かみしも今猶いまなほ渡場わたしばが残されてある如く隅田川其の他の川筋にいつまでも昔のまゝの渡船わたしぶねのあらん事をこひねがふのである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
天地はさかさまに相成候とも、御前様おんまへさまに限りてはと、今猶いまなほ私は疑ひ居り候ほど驚入おどろきいりまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)