井水いみず)” の例文
勿論下総十五郎の啖呵たんかは、大野ざらしの彫り物の中から、井水いみずのように凄じく噴きあげている最中なのです。
「——いよいよここが追分手前で、あのとおり井水いみずが吹きこぼれている走井はしりいの名物茶屋。お名残り惜しゅうございますが、お見送りもここまでといたしましょう」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
井水いみずを汲み上げる音がする。だが寧子は、水桶をげずに、じっとこっちを振り向いていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
井水いみずを汲んで口へふくませ、自家の薬丹やくたん印籠いんろうから取り出しなどしている間に、鴻山は、くくし上げた三次や二人の手下てかを引っ立て、一室にほうりこんで厳重にとざしてしまった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おそれ入りますが、井水いみずはどこにございましょうか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)