久吉ひさよし)” の例文
それから、その次の方にかおをしておいでなさるのは、さきほど久吉ひさよしをなすった兄さんだね。湯のじんぎは水とやら……あそこが軽い。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その最期に血書したる片袖を画中より脱け出でたる白鷹もたらし来てその子石川五右衛門に渡す。五右衛門南禅寺の楼門にあり。武智光秀に養はれしため早く真柴久吉ひさよしを恨めり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
南禅寺の楼門でする五右衛門の手裏剣を柄杓ひしゃくで受けた久吉ひさよし気取りに、棒に食い付いた小柄を抜こうともせず、再び身を屈めて小石を拾いました。拾い取るとヒューと手の内から飛びました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)