不透明ふとうめい)” の例文
自體彼の頭腦の中にはくさツたガスのやうな氣が充滿いつぱいになツてゐて、頭がはなは不透明ふとうめいになツてゐる、彼はく其れを知ツてゐるから
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
また他の時はすこしつかれを帯びたようにしずんで、不透明ふとうめいで、その皮膚ひふの底の方にはなんだか菫色すみれいろのようなものが漂っているように見えた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
と云いながら、雲は無いがなんとなく不透明ふとうめいな白みを持っている柔和やわらかな青い色のそらを、じーっとながめた。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)