下調したしら)” の例文
保吉やすきちは教室へ出る前に、必ず教科書の下調したしらべをした。それは月給をもらっているから、出たらめなことは出来ないと云う義務心によったばかりではない。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
保吉は教官室の机の前に教科書の下調したしらべにとりかかった。が、ジャットランドの海戦記事などはふだんでも愉快に読めるものではない。殊に今日きょうは東京へ行きたさにごうやしている時である。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)