下旬すゑ)” の例文
六月下旬すゑ日射ひざしが、もう正午ひるに近い。山国さんごくの空は秋の如く澄んで、姫神山の右の肩に、綿の様な白雲が一団ひとかたまり、彫出された様に浮んでゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
わたしが釧路の新聞へ行つたのは、恰度一月下旬すゑの事、寒さの一番酷しい時で、華氏寒暖計が毎朝零下二十度から三十度までの間を昇降して居た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何日しか七月も下旬すゑになつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一月の下旬すゑに来て。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)