上人うえびと)” の例文
若い気高い美貌の先達と、そう思ってひたむきに恋した人が、雲の上人うえびとも雲の上人、尊い宮様であったとは!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「よしよし。花は高嶺の雲さむからめ……か。これはいい、くも上人うえびとも、ぎゃふんであろう」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古風作者こふうさくしゃかきそうな話し、味噌越みそこし提げて買物あるきせしあのおたつが雲の上人うえびと岩沼いわぬま子爵ししゃくさま愛娘まなむすめきいて吉兵衛仰天し、さてこそ神も仏も御座る世じゃ、因果覿面てきめん地ならしのよい所に蘿蔔だいこは太りて
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
代々の帝の御位みくらいかせ給うは、天の日をぐということにて、天津日嗣あまつひつぎといい、また宮仕えし給う人を、雲の上人うえびとといい、都を天といい、四方の国、東国よりも、西国よりも、京へ上るといえり。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)