三椏みつまた)” の例文
ここで出来る紙の第一等のものは、何といっても「雁皮紙がんぴし」であります。大体紙料には雁皮と楮と三椏みつまたとがありますが、雁皮を以て最上とします。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
あの、強靭な紙になる三椏みつまたは前から使用禁止である。かてに使う桑皮にしても、工業組合からの配給になった和紙屑洋紙屑にしても、やはりその通りであった。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)
これらも見方によっては、人種の別と言えぬ事もない。かくて段々と年代を経るに従って多くの枝がさく。三椏みつまたの木が一本の幹から段々と無数の枝に分れる様なものです。
三椏みつまたの花が咲き、小屋の水車が大きく廻つてゐた。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
枝毎に三また成せる三椏みつまたの蕾をみれば蜂の巣の如
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
三椏みつまたのはなやぎ咲けるうらゝかな
不器男句集:02 不器男句集 (新字旧仮名) / 芝不器男(著)
三椏みつまたや皆首垂れて花盛り
普羅句集 (新字旧仮名) / 前田普羅(著)
有名な「とり」は今や海外でも、もてはやされている品。三椏みつまたを主な材料とします。きめ細かく滑かなため、印刷の用紙として上々のものであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
雁皮がんぴかうぞ三椏みつまたと、之が紙料の三位である。是等の三つの繊維に綾なすものが、もろもろの和紙である。
和紙の美 (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)