一風いっぷう)” の例文
後に希臘ギリシャ人がスキュテイア人と呼んだ未開の人種の中でも、この種族は特に一風いっぷう変っている。彼等かれらは湖上に家を建てて住む。野獣やじゅう襲撃しゅうげきけるためである。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
不相変主我的しゅがてきだと非難した者も少なくありませんでした。一風いっぷうかわった天才の気まぐれと笑ったのは、まだよい方かも知れません。先生もつらかったでしょう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一風いっぷう変わったつもりか知らないけど……。それから、すぐに鼻唄はたうたを歌ったり、歯と歯の間で口笛を吹いたり、気楽な馬方うまかた真似まねをしたら、今度は承知しないよ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
いや、そのうえ、ごらんの通り、そこへさらに、ひとつの影をすら、つけてやってあるのです。ずいぶん費用のかかることですが、どうも一風いっぷうかわったことが好きな性分しょうぶんなのでしてね。
しかも君子の談話だから一風いっぷう違って、おめえだの知らねえのと云う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
磯島大八郎は、一風いっぷうかわった男だった。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
要するに、にんじんの好みは一風いっぷう変わっている。しかも、彼自身、麝香じゃこうにおいはしないのである。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)