一椀いちわん)” の例文
「——ともあれ、北ノ庄まで落ちいて、心措こころおきなく始末、きれいに、所存しょぞんを遂げたいと思う。……この上の御造作ごぞうさじゃが、湯漬を一椀いちわん、馳走して賜わるまいか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜来一椀いちわんの水も喉へとおしていない彼の声は、からびていて、聞きとれないくらいに低い。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一椀いちわんの物は、半分ずつ分けて食おう。十日の物は、十五日に食いのばして戦おう。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一椀いちわんの食も、一滴の湯も、のどにとおしていないのである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)