一摘ひとつま)” の例文
小草おぐさ数本すほんに、その一本を伝わってさかしま這降はいおりる蟻に、去年の枯草かれぐさのこれがかたみとも見えるあくた一摘ひとつまみほど——これが其時の眼中の小天地さ。
恐怖と疲労からとであろう、浮藻は衾を引きかずき、髪の一摘ひとつまみを見せたばかりで、屏風の中に打ち伏していた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)