一揺ひとゆ)” の例文
旧字:一搖
一揺ひとゆり揺れて、ざわざわと動くごとに、池は底から浮き上がるものに見えて、しだいに水は増して来た。うつる影は人も橋も深く沈んだ。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といいながら、博士は飾窓から顔を放して腰を真直まっすぐにのばしたものだから、さっきかられ下っていた大蜘蛛が一揺ひとゆれ揺れると、博士の顔へぴしゃと当った。