“茱萸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぐみ92.6%
しゅゆ3.7%
グミ1.9%
シュユ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
庭の茱萸ぐみも、つくばいもその頃のなじみである。また清一郎、小三郎などという異腹の兄たちがいたことも記憶のどこかに残っている。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「これは道のべの木槿むくげは馬に喰われけりの木槿です。」とか、「これは遍く茱萸しゅゆを挿んでの茱萸です。」とか。鳴尾君は王維おういの望郷の詩をよく吟じていたものだ。私は月見草さえ知らなかった。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
冬にシベリヤの風を防ぐために、砂丘の腹は茱萸グミ藪だった。日盛りに、螽蟖きりぎりすが酔いどれていた。頂上から町の方へは、蝉の鳴き泌む松林が頭をゆすぶって流れた。私は茱萸藪の中に佇んでいた。
日本の学者は昔から茱萸シュユを Elaeagnus ママのグミだと誤認しているが、その誤認を覚らず今日でもなおグミを茱萸だと書いているのを見るのは滑稽だ。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)