“シスコ”の漢字の書き方と例文
語句割合
桑港100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無賃で天国へまでもける筈の博愛社長にとつて、桑港シスコ行きの二等船賃は決して軽い負担ではなかつた。だが、小橋氏は久し振に俄分限にはかぶんげん同胞きやうだいを訪ねるやうな、晴々しい気持で船に乗込んだ。
赤いモスコー、四角い伯林ベルリン、酔うがミュンヘン、歌うが維納ウインナ、躍る巴里パリーや居眠る倫敦ロンドン、海を渡れば自由の亜米利加アメリカ。女の市場がアノ紐育ニューヨークじゃ。桑港シスコ賭博ばくちよ。市俄古シカゴの酒よと。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……ところがこのハドルスキーは、嘗て桑港シスコのホテルで同室した際に、このあけぼの新聞を私の鞄の底から引き出して、不思議そうに眺めまわしているのを、鍵穴から覗いて見た事がある。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)