“キャビネット”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
私室14.3%
卓笥14.3%
立箪笥14.3%
配電函14.3%
長櫃14.3%
飾戸棚14.3%
飾棚14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二カ所の広い土地は彼女の従兄弟いとこのワトソンに与えてくれ、金貨の財布は彼女の私室キャビネットにあるということを書き送ってくれと言った。
それからまた、ヴィール氏は金貨の財布もあったことを承認しているが、しかし、それは夫人の私室キャビネットではなくて、櫛箱の中にあったと言っている。それはどうも信じ難い気がする。
寝台の側に大酒甕さけがめ形の立卓笥キャビネットがあるのみで、その上には、芯の折れた鉛筆をつけたメモと、被害者がる時に取り外したらしい近視二十四度の鼈甲べっこう眼鏡、それに
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そうして、最後に立箪笥キャビネットが載せられたとき、検事と熊城はハッとして息をんだ。と云うのは、松毬コーンの形をしたその頂飾たてばなが口を開いて、そこからサラサラと、白い粉末がこぼれ出たからであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と云い終るが早いか、朔郎は突然身を飜えして、背後にある配電函キャビネットの側に駈け寄った。硝子がパンと砕けると同時に法水は思わず眼をつぶった。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と云うのは、奥の長櫃キャビネットの上で、津多子夫人は生死を四人のさいの目に賭けて、両手を胸の上で組み、長々と横たわっているのであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
白麻ドロン・ウォークの窓掛などをキョロキョロと見まわしているうちに、フトそば飾戸棚キャビネットの横に附いている小さな鏡の中に自分の顔を発見してギョッとした。頭髪あたまがまるで煙突の掃除棒だ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そのむこうに炊事ぐらい出来そうな小さな飾棚キャビネットがついている。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)