-
トップ
>
-
ろさい
三人の友だちとは、俳人の
露柴、洋画家の
風中、
蒔画師の
如丹、——三人とも
本名は
明さないが、その道では知られた
腕っ
扱きである。
保吉はいよいよ
中てられたから、この客の存在を忘れたさに、隣にいる
露柴へ話しかけた。が、露柴はうんとか、ええとか、
好い加減な返事しかしてくれなかった。
殊に
露柴は年かさでもあり、新傾向の俳人としては、
夙に名を
馳せた男だった。
また八
相、
青眼、
刺戟の構えを見せ、さらに
露砕、
旋風破、
搏浪、
直天、
直地の秘術など、果ては、そこに人なく、一
杖なく、ただ
風車の如き
唸りと、円をなす
光芒がぶんぶん聞えるだけだった。