“ろうかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
琅玕67.6%
蝋管21.6%
老幹8.1%
瑯玕2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、相手の胸の上には、彼の母が遺物かたみに残した、あの琅玕ろうかん勾玉まがたまが、曇りない月の光に濡れて、水々しく輝いていたではないか。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蓄音機が非常に珍しくまだ平円盤がなくて蝋管ろうかんの時分、高いところへ蓄音機をえてそのわきに端座し銭をとって今日のレシーバーの役目をする長いゴムの管を客の耳に貸し
新古細句銀座通 (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
高い木のなびく、頂きには、青い空がほころびている。かの夕陽に赤く色づき、朝日に照り返って輝く、皮の剥げた枯木の老幹ろうかんは、白くなって、青々と繁った林の中から突き出て見えた。
森の暗き夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
法師が、そっとのぞいてみると、なるほど、瑯玕ろうかんみたいに白くこごえきった若者が、孤寂として、中のゆかにひとりで端座しているのである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)