“りょうみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
涼味66.7%
魎魅33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう、忍びやかな夕陽ゆうひの影が、片側の松平越中様の海鼠塀なまこべいにはい寄って、頭上のけやきのこずえを渡る宵風には、涼味りょうみがあふれる。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
雨上りの夜の天地は墨色すみいろの中にたっぷり水気をとかして、つやっぽい涼味りょうみ潤沢じゅんたくだった。しおになった前屈まえかがみの櫓台の周囲にときどき右往左往する若鰡わかいなの背が星明りにひらめく。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
亀の遊ぶのを見たりとて面白くもなし湊川みなとがわへ行て見んとて堤を上る。昼なれば白面の魎魅りょうみも影をかくして軒を並ぶる小亭かんとして人の気あるは稀なり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)