“もちいだ”の漢字の書き方と例文
語句割合
持出100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火元と認定せらるる鰐淵方わにぶちかた塵一筋ちりひとすぢだに持出もちいださずして、あはれむべき一片の焦土をのこしたるのみ。家族の消息はただちに警察の訊問じんもんするところとなりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
蚊いぶし火鉢に火を取分けて三尺の椽に持出もちいだし、拾ひ集めの杉の葉をかぶせてふうふうと吹立ふきたつれば、ふすふすとけぶりたちのぼりて軒場のきばにのがれる蚊の声すさまじし
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここにおいてお登和嬢が心をめたる御馳走は早速人々の前に持出もちいだされたり。客も主人もな食卓を囲みぬ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)