“ほまえせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
帆前船94.4%
帆船5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西洋の船にならって造った二本マストもしくは一本マストの帆前船ほまえせんから、従来あった五大力ごだいりきの大船、種々な型の荷船、便船、いさぶね、小舟まで
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
全く石川島いしかわじまの工場をうしろにして幾艘となく帆柱を連ねて碇泊ていはくするさまざまな日本風の荷船や西洋形の帆前船ほまえせんを見ればおのずと特種の詩情がもよおされる。
余の乗り来りし帆船ほまえせんの燃ゆる火焔の消ゆるとともに、余はこの地球の果においてただちに凍死こごえしなん、いな瑠璃岸国の国王並びに勇士美人のごとく、一種異様なるミイラとなってむなしく残らん
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
幸いこの帆船ほまえせんには船底と甲板との間に、この昇降口一個あるのみなれば、ここぞ余のためにはサーモピレーの険要けんようとも云うべく、この険要破れざる限りは、余の生命続かん、生命のあるかぎりは
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
まったく近世においては見るあたわざる古代風の巨船なりき、思うに余の帆船ほまえせんと同じようなる運命にて、何時の頃かこの地球の果に押し流されしものならん、今は船中ことごとく氷にとざされて
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)