“べんし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
弁士50.0%
卞氏25.0%
眄視25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下手しもて海老色えびいろの幕の蔭から、金縁の眼鏡をかけてフロックコオトを着た、年の若い、赤ッつら気障きざ弁士べんしが舞台へ歩いて来て、見物一同へ馬鹿丁寧なお辞儀をした後
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ふたりの家臣が目のまえに斬られて、血しおの中に喪心そうしんしていた曹植が、その蒼ざめた顔をあげてふと見ると、それは自分たち兄弟を生んだ実の母たる卞氏べんしであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二つが一々主峯の影を濃くひたして空もろ共に凝っている。けれども秋のように冷かではない。見よ、眄視べんし、流目の間にあでやかな煙霞えんかの気が長い睫毛まつげを連ねて人ににおいかかることを。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)