“ふんうん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
紛紜93.8%
氛氳6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども要するに、自分の身の廻りの言わん方なき苦しき紛紜ふんうんは、いつにお浜の心から来ていると、思えば思えるのである。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
長閑のどかにこの春光に向かわば、詩人ならざるもしばらく世俗の紛紜ふんうんを忘れうべきを、春愁堪え難き身のおとよは、とても春光を楽しむの人ではない。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
船室は忽ちに嘔吐おうどの声氛氳ふんうんとして満ち、到底読書の興に安んじがたく、すなはちこの古帽と共に甲板に出れば、細雨蕭条せうでうとして横さまに痩頬そうけふを打ち、心頭りんとして景物皆悲壮、船首に立ち
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)