“ふなま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
船澗66.7%
船待33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毎夜のように密貿易ぬけがいの船頭が入り込み、船澗ふなまへけしからぬ水馴竿みなれざおを振込むのを知らずにいるようでは、たいした器量人と思えない
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「見てみろ、また高楼に灯が入った。道益の一ノ姫は、今夜も船澗ふなまをあけて、谷戸の業平なりひらに夜舟を漕がせる気とみえる。これでもうつづけうちだが、ようまァ精の出ることだ」
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
まだ時間があるからとおっしゃって、あそこはなんというとおりなの、明石町あかしちょう船澗ふなまのあたりにそっくりな河岸のレストラントで、見事な海老や生海丹なんかご馳走してくだすって、それから
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
翌朝、道益は起きぬけに府中へ下り、船澗ふなまのそばで上荷の宰領をしていたが、谷戸へやった手の者が、ひるごろになっても帰って来ないので気にしだした。といって何事があろうとも思えない。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
わが心故郷ふるさとにのみ引かれぬも苦しかりけり旅の船待ふなま