“なおじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
直治33.3%
直二33.3%
直次33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弟の直治なおじがいつか、お酒を飲みながら、姉の私に向ってこう言った事がある。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
けれども、けさ、はとのごとく素直すなおに、へびのごとくさとかれ、というイエスの言葉をふと思い出し、奇妙に元気が出て、お手紙を差し上げる事にしました。直治なおじの姉でございます。お忘れかしら。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しかし戦死したと思った伊号一〇一乗組の、紅子の大好きな直二なおじ兄が、無事な姿をひょっくり現わすだろうことを思えば、いつとはなしに微笑ほほえまれて来るのであった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
潜水艦から離れた艦上機の操縦席についていたのは、別人べつじんならぬ花川戸はなかわど鼻緒問屋はなおどんやの二番息子の直二なおじであった。前に戦死と認知にんちされて、死亡通知の発せられた幽霊人ゆうれいじんだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
日ごろ吉左衛門や半蔵のところへ油じみた台箱だいばこをさげてかよって来る髪結い直次なおじまでが、その日は羽織着用でやって来て、ぜんの前にかしこまった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)