“とつこつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
突兀91.7%
猶突兀8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
能方のうかた川を渡り岩はな堤を経て小竹堤を行く。望ところ連山垣墻ゑんしやうのごとく東南に突兀とつこつたる山あり。香春山かはらやまといふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼はすでに突兀とつこつたる巌石を肩に支えながら、みずらの髪をひたいに乱して、あたかも大地だいちいて出た土雷つちいかずちの神のごとく、河原によこたわる乱石の中に雄々しくも立ち上っていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
我目前には猶突兀とつこつたる山骨の立てるあり。物寂しく獨り聳えたる塔のさきに水鳥の群立むらたち來らんをうかゞひて網を張りたるあり。脚底の波打際を見おろせばサレルノのまちの人家碁子きしの如くつらなれり。