“でんずういん”の漢字の書き方と例文
語句割合
伝通院100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある日私はまあうちだけでも探してみようかというそぞろごころから、散歩がてらに本郷台ほんごうだいを西へ下りて小石川こいしかわの坂を真直まっすぐ伝通院でんずういんの方へ上がりました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かすかに聞える伝通院でんずういん暮鐘ぼしょうに誘われて、ねぐらへ急ぐ夕鴉ゆうがらすの声が、彼処此処あちこちに聞えてやかましい。既にして日はパッタリ暮れる、四辺あたりはほの暗くなる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それと同じように、私の生れた小石川をば(少くとも私の心だけには)あくまで小石川らしく思わせ、他の町からこの一区域を差別させるものはあの伝通院でんずういんである。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)