“たつのくち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
辰口40.0%
竜口20.0%
辰之口20.0%
龍之口20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山にる、辰口たつのくちという小さな温泉にきて帰るさ、くだんの茶屋に憩いて、児心こどもごころに、ふと見たる、帳場にはあらず、奥の別なる小さき部屋に、黒髪の乱れたる、若き、色の白き、せたる女
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
阿部伊勢守正弘は三四月のかう病に罹り、五月以後には時々じゞ登城せぬ日があり、じゆん五月九日より竜口たつのくち用邸に引き籠り、六月十七日午下刻に瞑した。享年三十九歳である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
阿部正弘は竜口たつのくち用邸にゐた。屋舎が倒れて正弘の夫人松平氏謐子しづこの侍女七人はこれに死した。正弘夫妻は幸に恙なきことを得て、正弘は直に登城した。当夜第一の登城者であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
辰之口たつのくち向こうの遠藤様に、もう四年ごしご奉公しているんですがね。それにつけても、ねえ、だんな。
あれから辰之口たつのくちへめえってお屋敷に願ったら、晩までというお約束ですぐに暇くれたんでね、横っとびに妹とふたりで四谷まで出かけていったないいんですが、勤めが勤めなんだから
その系圖が出て來て、恐れ乍らと龍之口たつのくちへ持つて出ると、一萬石の大名に取立てられないものでもない。輕く扱はれても何千石のお旗本、將軍樣から格別の御會釋ゑしやくがあらうといふわけ。