“しゅろぼうき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
棕櫚箒50.0%
棕梠箒33.3%
棕呂箒8.3%
棕櫚帚8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は熱い鉄板の上に転がった蝋燭ろうそくのようにせていた。未だ年にすれば沢山たくさんあるはずの黒髪は汚物や血で固められて、捨てられた棕櫚箒しゅろぼうきのようだった。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
衣装も髪も馬も桜も一瞬間に心の道具立から奇麗きれいに立ち退いたが、オフェリヤの合掌して水の上を流れて行く姿だけは、朦朧もうろうと胸の底に残って、棕梠箒しゅろぼうきで煙を払うように、さっぱりしなかった。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
玄関へ飛んで出た助手の滝山は、棕呂箒しゅろぼうきのような頭を指でき上げながら、少し気違じみた眼を見開きました。後からは、差しのぞくように、オドオドしたその妻三枝子の眼。
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
こういう風に挙げてくると、女の黄楊櫛つげぐしから、さては菓子型の類、庭を棕櫚帚しゅろぼうきなどに至るまで、仕事のよいのを色々と拾うことが出来ます。京都は今も手仕事の都といわねばなりません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)