“ざふにん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑人66.7%
雜人33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高麗橋、平野橋、淡路町の三度の衝突で、大塩方の死者は士分一人、雑人ざふにん二人に過ぎない。堀、跡部の両奉行の手には一人の死傷もない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おこたり無く偵察ていさつしてゐると、丁度将門の雑人ざふにん支部はせつかべ子春丸といふものがあつて、常陸の石田の民家に恋中こひなかの女をもつて居るので、時〻其許へ通ふことを聞出した。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
烟が散つてから見れば、もう敵は退いて、道が橋向はしむかうまで開いてゐる。橋詰はしづめ近く進んで見ると、雑人ざふにんが一人打たれて死んでゐた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
玉にあたつて死んだものは、黒羽織くろばおりの大筒方の外には、淡路町の北側に雑人ざふにんが一人倒れてゐるだけである。大筒方は大筒の側に仰向あふむけに倒れてゐた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
玉の如くにあでやかなる面影に、忽ち戀慕の心湧いて、あれは何人ぞと、傍の雜人ざふにんに訊きたるに、あれこそは衣川殿の愛子まなごにて、左衛門尉渡どのの北の方、袈裟御前にて候との答なりし。
袈裟の良人 (旧字旧仮名) / 菊池寛(著)