“さんそん”の漢字の書き方と例文
語句割合
山村100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
霧はもう名残もなくれて、澄みに澄んだ秋の山村さんそんの空には、物を温めるやうな朝日影が斜めに流れ渡つてゐた。村は朝とも昼ともつかぬやうに唯物静かであつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
服織はとりという二、三十山村さんそん、みな素朴そぼく山家者やまがものらしいので、その一けん伊勢いせ郷士ごうしといつわって宿やどをかりた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつかかみを落したのち、倉井村の地蔵堂じぞうどう堂守どうもりになっていたのである。伝吉は「冥助みょうじょのかたじけなさ」を感じた。倉井村と云えば長窪から五里に足りない山村さんそんである。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)