“かんごえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
甲声33.3%
寒声22.2%
癇声22.2%
寒肥11.1%
疳声11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何処かにさびを含んだ、藝人らしい甲声かんごえを絞って、女の袂を掠めたり、立ち木に頭を打ちつけたり、無茶苦茶に彼方此方へ駈け廻るのですが、挙動の激しく迅速なのにも似ず
幇間 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
陸は小さい時から長歌ながうたすきで、寒夜に裏庭の築山つきやまの上に登って、独り寒声かんごえの修行をした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
藤尾の癇声かんごえは鈍い水をたたいて、鋭どく二人の耳にね返って来た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
寒肥かんごえを皆やりにけり梅桜
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「いけない! 焼芋でなけりゃいけない」母は疳声かんごえをたてて怒鳴どなりつけた。「お前は親の言うことをかないのかい。早く行っといで、この意気地なしめ。何が怖いものか」