“えんじゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
80.0%
延寿8.6%
槐樹8.6%
艶樹2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山中組はジャンボーの通った石垣の間を抜けて、だらだら坂の降りぎわを、右へのぼるとはすに頭の上にかぶさっている大きなえんじゅの奥にある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人を救った若侍は小堀義哉こぼりよしやというもので、五百石の旗本の次男、小さい時から芸事が好き、それで延寿えんじゅの門に入り、五年経たぬ間に名取となり、今では立派な師匠株、従って父親とはソリが合わず
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やがて自動車がそれと覚しき槐樹えんじゅの植込みの茂った前庭付きの立派な洋館の前へ止ると、私は家を見上げ見下ろし、今更のごとくたたずまざるを得なかった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
艶樹えんじゅの森をじゅうぶん観賞なさったころに、美しい魔女が、見物衆にまといつきながら、パイプのネジをひらいて、その鼻先に麻酔ガスを吹きかけるのです。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この艶樹えんじゅの森へ黒衣の警官が侵入してきたのは、そういうしだいなのさ。残るふたりの警官は、事務室に縛り上げてあるちょびひげと八人の男を見張っているのだよ。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)