延寿えんじゅ)” の例文
肥後には古くから肥後鍛冶かじが発達しており、当時、刀鍛冶の延寿えんじゅ国村の門輩がさかんに武器の需要におうじていたことはたしかであるから、菊池武重の実戦における経験から
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人を救った若侍は小堀義哉こぼりよしやというもので、五百石の旗本の次男、小さい時から芸事が好き、それで延寿えんじゅの門に入り、五年経たぬ間に名取となり、今では立派な師匠株、従って父親とはソリが合わず
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宿場の長者で大炊おおいという者の娘は、延寿えんじゅといって、さる年頃目をかけた女性で、自分とのあいだには、夜叉やしゃという女の子までした仲である。尋ねて行けば親どもも、すげなくは扱うまい。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大炊の娘、延寿えんじゅであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)