“えどっこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
江戸児72.4%
江戸子27.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浮世絵師の伝記を調べたる人は国芳がきわめ伝法肌でんぽうはだ江戸児えどっこたる事を知れり。この図の如きはまことによくその性情を示したる山水画にあらずや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
江戸児えどっこの気概が契機として含まれている。野暮と化物とは箱根より東に住まぬことを「生粋きっすい」の江戸児は誇りとした。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
湯帰りに師匠のところへ行って、一番うなろうという若いしゅも、今では五十銭均一か何かで新宿へ繰込む。かくの如くにして、江戸子えどっこは次第に亡びてゆく。浪花節なにわぶしの寄席が繁昌する。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
博士はそろそろ巻舌まきじたになって来た。博士は純粋の江戸子えどっこで、何か話をして興に乗じて来ると、巻舌になって来る。これが平生寡言沈黙の人たる博士が、天賦の雄弁を発揮する時である。
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)